性格と「たいりょく」の関係                     
                                      使用ソフト エミュレータsnes9x
・問題
 ゾーマ戦ではHPがどれだけ確保できているかで戦略が変わりタイムが左右される。HPを確保する方法としては、性格を「タフガイ」もしくは「てつじん」 にすることが一般的である。性格によって各パラメータに補正が加わり、HPを決定する「たいりょく」パラメータに影響を強く与える性格は「タフガイ」と 「てつじん」となっている。具体的には、性格「ふつう」のたいりょく補正が「1」に対し、タフガイのたいりょく補正は「1.4(一番)」であり、てつじん は「1.3(二番)」である。
 では、性格の違い(たいりょく補正)によって実際にどのくらい差が生まれるのだろうか。今回は盗賊にのみ焦点を当てる。

・目的
 職業「盗賊」において、性格の違いによって「たいりょく」の値に統計的な差が生まれるかどうかを確認する。
 また、同じ性格で「たいりょく」に統計的な差が生まれるかどうかも確認する。

・方法
 盗賊の性格を「タフガイ」「てつじん」にする。
 それぞれのたいりょくの値を「種ふり前を6」「種ふり後を16」とする。
 タフガイを3人用意し、それぞれ「タフガイ1」「タフガイ2」「タフガイ3」とする。
 同様にてつじんを3人用意し、それぞれ「てつじん1」「てつじん2」「てつじん3」とする。合計6人である。
 盗賊の最終想定レベルである「23」を基準にレベル上げをし、その時のたいりょくを確認してデータを集める。
 6人に対しそれぞれレベル上げを20回行う。

・結果(考察を読んだほうがいいかも・・・)
 表1に「たいりょく」について、ぞれぞれの平均値と標準偏差を示す。標準偏差ってなに?



 同じ性格についての分析
 まずはじめに、「たいりょく」を従属変数、タフガイ「1・2・3」を独立変数とする一要因分散分析を行った。(表2)
その結果、タフガイ「1・2・3」に有意差がみられた(p<000)。次に、Tukey法(1%水準)による多重比較を
行ったところ、「タフガイ1」と「タフガイ2」、「タフガイ1」と「タフガイ3」に有意差がみられた(表3)。

 

 

 次に、「たいりょく」を従属変数、てつじん「1・2・3」を独立変数とする一要因分散分析を行った。
その結果、てつじん「1・2・3」に有意差はみられなかった(表4)。

 

 
 異なる性格についての分析
 タフガイ「1・2・3」を合わせた「タフガイ」とてつじん「1・2・3」をあわせた「てつじん」について(表1右側)、t検定を行った。まず等分散性の 検討を行い、等分散性は棄却された。そこで、Welchのt検定を行ったところ、t = 4.636、 p-value = 9.877e-06と有意差が認められた。


・考察
 今回の目的は、職業「盗賊」において、性格の違いによって「たいりょく」の値に統計的な差が生まれるかどうかを確認することと、同じ性格で「たいりょく」に統計的な差が生まれるかどうかを確認することであった。(順序は逆になっちゃった)
 同じ性格について、結果より、タフガイではレベル23で「タフガイ1」と「タフガイ2」、「タフガイ1」と「タフガイ3」に有意な差がみられたが、てつじんでは有意な差は認められなかった。このことから、盗賊のタフガイでは「レベル23で統計的な差があらわれることがある」と いうことが明らかとなった。これは、成長補正が「1.4」という高さから、大きなばらつきを与えるためと考えることができる?もしくは、表1のたいりょく 最大値・最小値から推測すると、盗賊を選ぶ時点で成長曲線?のようなものが決定されているために差がでたとも考えられる。
 次に、異なる性格について、結果より、「タフガイ」と「てつじん」ではレベル23でのたいりょくに有意な差が認められた。このことから盗賊のレベル23では、タフガイ「1.4」の補正とてつじん「1.3」の補正に統計的な差があることが明らかとなった。
 
 タフガイとてつじんのたいりょく平均値をみると、「110」と「106」。まあ、てつじんでもイケるっちゃあいけるけど、タフガイのほうがいいよねー。

 性格補正値「0.1」でも差がでるということがわかったので、次に盗賊の「いのちしらず」と「てつじん」の関係をみていきます。



・標準偏差について
 簡単に言えば、集団のばらつきの指標です。表1の右側にある「タフガイ」と「てつじん」の標準偏差をみると
「タフガイ」のほうが値が大きく、「てつじん」よりデータのばらつきが大きいことがわかります。
 ちなみに標準偏差の単位は、ここでいう「たいりょく」と同じ単位です。
 この標準偏差は、結果に書いてある分析で使用されるとても重要な指標でもあります。

 さて、標準偏差を知ることで少しだけ楽しめることがあります。
平均値±標準偏差の範囲に全データの68.27%が分布します!
もっと言うと、平均値±標準偏差×2の範囲に全データの95.45%が分布するんです!


 具体的にいうと、表1の右側にある「タフガイ」のたいりょく平均値は「110.8」、標準偏差は「6.2」です。
 先ほどの内容を踏まえると、
    110.8 ± 6.2 = 104.6〜117.0 の範囲に全データの68.27%が分布します。
    110.8 ± 6.2×2 = 98.4〜123.2 の範囲に全データの95.45%が分布します。


 で、結局何が少し楽しめるのかというと、
  例えば、私の場合ですが、盗賊がタフガイだったとして、レベルが23だったとして、ゾーマ戦あたりでHPを見ます、
 HP250(たいりょく125ぐらい)が見えた瞬間に、
5%引いたあああああぎもぢいいいいいい
 となります。楽しいです^q^

 *注意点
 ここまでの説明はあくまで今回得たデータからのものです。「タフガイ」についてはサンプル数60であって
 母集団を表すものとしてはサンプル数は少ない・・かもしれません。あまり、真に受けずに、だいたいこんなもんって感じでお願いします。
 
 *エクセルに「STDEV」という標準偏差を求める関数があるので、触れてみたいと思ったらお試しくださいまし。